東京工業大学 理学部 物理学科 柴田研究室
「研究室公開」

概要

2012 年の工大祭は「Labolution」をテーマに10 月06 日(土)、10 月07(日) の2 日間行われました。

柴田研究室は研究室公開に『大公開!!素粒子検出器!!~物理実験に使う検出器~』の企画名で参加しました。

公開時間は両日とも10:00 - 16:00の6時間で主に検出器の公開・実演を行いました。

今回は以下の3つのテーマを扱いました。

素粒子の基本

素粒子の基本説明を行いました。

原子は何から出来ているのか?というところからスタートし、素粒子であるクォークレプトンが何であるかを示しました。

今回の企画は「素粒子検出器の公開」なので、検出した「宇宙線ミュー粒子(µ粒子)」についてを更に詳細に紹介しました。

プラスチックシンチレータを用いた宇宙線µ粒子のフラックス測定

プラスチックシンチレータを用いて、宇宙線ミュー粒子がどれくらい飛来しているのかを測定しました。

プラスチックシンチレータは、荷電粒子の検出効率がほぼ100%であり、このような飛来した荷電粒子の個数を数えるのに適しています。

プラスチックシンチレータは荷電粒子が通るとシンチレーション光を発し、それを光電子増倍管(PMT)が捉えて信号の数を数えます。

しかし、光電子増倍管は多くのノイズを発生する装置で、ミュー粒子以外の信号まで数えてしまいます。

そこで、シンチレータ、光電子増倍管を2つずつ用いて、「同時計測」をすることによりミュー粒子のみを数える方法を実演しました。

また、プラスチックシンチレータは時間分解能が非常に高く、それを用いたミュー粒子の寿命測定の方法も紹介しました。

ドリフトチェンバーを用いた宇宙線µ粒子の飛跡再構成

前項であげた実験では、「ミュー粒子がプラスチックシンチレータ上のどこかに来た」ということしか判りません。

このドリフトチェンバーを用いたミュー粒子測定では、「ミュー粒子がどこを通ったのか」までを見ることを目的としています。

ドリフトチェンバーは、荷電粒子の電離作用を用いた検出器で、チェンバー内には多くの電圧のかかったワイヤーが張ってあり、特殊なガスで満たされています。

荷電粒子が通ると、チェンバー内のガスが電離されて電子が電場に従ってドリフトし、ワイヤーにぶつかることで「粒子が通った」という信号を受け取ります。

その「電子がドリフトする時間」からワイヤーからどれほど離れた場所で電離が起こったのかを決定し、粒子が通った位置を調べます。

今回の実演では、実際にその場で測定したミュー粒子が通った跡をパソコンの画面上で表示し、このような装置で調べることができるということを紹介しました。

ドリフトチェンバーの実
演

基本の説明