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東京工業大学 理学部 物理学科

柴田研究室

柴田研究室の研究分野は素粒子物理です。
高エネルギーの粒子加速器を用いて実験をし、理論的解析にも取り組んでいます。

約140億年前の宇宙創生の直後にはクォークは質量がなく自由に飛び回っていたが、 次の2段階の過程を経て物質の質量が得られたと考えられています: 1) ヒッグス機構によってクォークが数 MeV の質量を得た、 その後 0.1 ミリ秒位経って、 2) クォークが束縛されて陽子や中性子が形成されるときに、量子色力学 (QCD) の真空の自発的対称性の破れによって、現在の陽子や中性子の質量が得られた。 物質の質量に対する寄与は、1) が約2%、2) が約98%と考えられています。 2) はクォークのカイラル対称性の破れとも呼ばれていて、クォークと 反クォークが対になってボース・アインシュタイン凝縮を起こし、それが クォークに質量を与える原因になっている、という南部理論によるものです。

宇宙創成の直後は物質と反物質はほぼ等量あったと考えられるが、未だ解明されていない非対称性のために 物質優勢の宇宙と現在ではなっています。しかし、現在の物質の中にも、つまり現在の星や人の体を構成 している陽子・中性子の中にも反粒子である反クォークが存在することが知られています。 それを探る代表的な手法が高エネルギー陽子−陽子反応におけるドレル・ヤン過程です。
ドレル・ヤン過程では、片方の陽子の中のクォークと他方の陽子の中の反クォークが対消滅して、 いったん光子になったのちにミューオン対に崩壊します。それを測定することにより、反クォークの 存在を確認することができます。柴田研究室ではこの方法を用いて研究を行っています。

陽子のスピン1/2も宇宙創成直後の陽子の形成の際につくられました。「陽子のスピン1/2のうち、 クォークスピンの担う割合はたいへん小さい」という実験事実は「陽子のスピンの謎」と呼ばれていて、 世界中の様々な粒子加速器を用いて研究が行なわれています。柴田研究室はこの問題の解明に主要な 役割を果たしています。量子色力学(QCD)の実験的研究です。

物理学は自然科学の一分野であり、実験と理論は車の両輪のようなものなので、大学院生には両面での 勉強を勧めています。

柴田研究室では、 数年来準備してきた SeaQuest (アメリカ・フェルミ研のドレル・ヤン実験、 陽子ビーム 120 GeV) の実験が2012年3月にスタートしました。 この実験のために大型ドリフト・チェンバーを1台、製作しました。 更に1台製作中です。 このほかに、研究室のメンバーが参加している進行中の実験としては、 PHENIX (アメリカのブルックヘブン国立研の偏極陽子-陽子衝突型実験、100+100 GeV 等) があります。 ビームタイムが完了してデータ解析を行っている実験には Belle (日本のKEKつくば、陽電子-電子衝突型実験、クォークのハドロン化の解析)、 HERMES (ドイツ・ハンブルクの偏極電子-陽子深非弾性散乱実験、28 GeV)、 SciBooNE (アメリカ・フェルミ研のニュートリノ−原子核反応、約1GeV) があります。

写真集: SeaQuest (1)SeaQuest (2)SeaQuest (3)

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実験テーマ

柴田研究室は、陽子の内部構造の解明を目指して総合的に実験を進めています。
実験名 場所 陽子構造に関わる実験目的
SeaQuest フェルミ国立加速器研
(イリノイ, アメリカ)
反クォークのフレーバー非対称性など
PHENIX ブルックヘブン国立研
(ニューヨーク, アメリカ)
グルーオンのスピン偏極など
Belle KEK
(つくば, 日本)
クォークのハドロン化現象の測定
HERMES DESY 研
(ハンブルグ, ドイツ)
クォークのスピン偏極など
SciBooNE
フェルミ国立加速器研
(イリノイ, アメリカ)
ストレンジクォークのスピン偏極など
量子色力学 (QCD)
の理論計算
AAC グループなど 測定データの総合解析
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各実験の紹介ページ
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研究成果など

研究室メンバー メンバーリスト
会議での発表 日本物理学会国際会議
学位論文テーマ 博士修士学士
学科/専攻
コロキウム
物理学コロキウム 第一第二 (学部4年)
基礎物理学コロキウム (修士1年)
GCOE コロキウム (博士)
学部3年生
実験テーマ
前期: 霧箱を用いた放射線の観察
後期: イオントラップ装置の製作と応用
後期: バンデグラフ加速器と恒星内元素変換
雑誌での研究紹介の記事
会議・講義の資料
社会への科学研究の広報活動 科学館等での実験教室
工大祭での研究室公開
他の研究所へのリンク等

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