柴田研究室
高エネルギーの粒子加速器を用いて実験をし、理論的解析にも取り組んでいます。
約140億年前の宇宙創生の直後には、クォークは自由に飛び回っていたが、0.1ミリ秒ぐらい経つと クォークは束縛されて陽子や中性子が形成されたと考えられています。 クォークはもともとは質量のない粒子であったが、自発的対称性の破れによって質量を獲得しました。
宇宙創成の直後は物質と反物質はほぼ等量あったと考えられるが、未だ解明されていない非対称性のために
物質優勢の宇宙と現在ではなっています。しかし、現在の物質の中にも、つまり現在の星や人の体を構成
している陽子・中性子の中にも反粒子である反クォークが存在することが知られています。
それを探る代表的な手法が高エネルギー陽子−陽子反応におけるドレル・ヤン過程です。
ドレル・ヤン過程では、片方の陽子の中のクォークと他方の陽子の中の反クォークが対消滅して、
いったん光子になったのちにミューオン対に崩壊します。それを測定することにより、反クォークの
存在を確認することができます。柴田研究室ではこの方法を用いて研究を行っています。
陽子のスピン1/2も宇宙創成直後の陽子の形成の際につくられました。「陽子のスピン1/2のうち、 クォークスピンの担う割合はたいへん小さい」という実験事実は「陽子のスピンの謎」と呼ばれていて、 世界中の様々な粒子加速器を用いて研究が行なわれています。柴田研究室はこの問題の解明に主要な 役割を果たしています。量子色力学(QCD)の実験的研究です。
物理学は自然科学の一分野であり、実験と理論は車の両輪のようなものなので、大学院生には両面での 勉強を勧めています。
柴田研究室では、 数年来準備してきた SeaQuest(アメリカ・フェルミ研のドレル・ヤン実験、 陽子ビーム 120 GeV)の実験が2012年3月にスタートしました。 この実験のために大型ドリフト・チェンバーを1台、製作しました。 更に1台製作中です。 このほかに、研究室のメンバーが参加している進行中の実験としては、 PHENIX(アメリカのブルックヘブン国立研の偏極陽子-陽子衝突型実験、100+100 GeV 等)があります。 ビームタイムが完了してデータ解析を行っている実験には Belle (日本のKEKつくば、陽電子-電子衝突型実験、クォークのハドロン化の解析)、 HERMES (ドイツ・ハンブルクの偏極電子-陽子深非弾性散乱実験、28 GeV)、 SciBooNE (アメリカ・フェルミ研のニュートリノ−原子核反応、約1GeV) があります。
写真集: SeaQuest (1) ・ SeaQuest (2) ・ SeaQuest (3)
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